「グロービッシュ/Globish」「Voice of America」(注1)、「BASIC英語」(注2)ってご存知ですか?
いずれも、As a second languageとして、簡単な英語 (単語数にして850語から1500語)で話すので良いのではないかと主張しているものです。(文科省の新学習指導要領における中学生の英語の単語数は1200語程度) 以下、週刊東洋経済(9/18号)を参考に「グロービッシュ/Globish」を主体に私どもの考えなどをお話させていただきます。
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「グロービッシュ/Globish」は、もう21年前に当時米国IBMのVice-Presidentとして日本に勤務していたジャン=ポール・ネリエール(フランス人)さんが、そのビジネス経験より1500語で通じる英語を提唱しました。「Global English」を短くして作った彼独自の造語です。英語を話す時、非ネイティブ同志で話している方が、ネイティブと話す時よりも通じることを発見したのです。彼自身英語非ネイティブなので、それを実感したのでしょう。そもそも、2006年時点で英語を話す人口は14億人から15億人で、ネイティブは約4億人。7割以上が非ネイティブだそうです。最近の新興国の躍進が物語っていますよね。ますますこの傾向は強まるのでしょう。
さて、この考えは「自分の英語(まずは簡単な英語)話す」を提唱している我々の味方になるものと思いました。 企業の英語研修において単語文型などを増やす事に力を入れる学習的研修より、話す方に力を入れるアクティブな研修を薦めている理由もこれでハッキリとします。(詳しくは、MLSのeigo-kenshu.com を参照)(英語を研究材料や契約などの専門分野とする場合は、これではダメなことは言うまでもありませんが)
さて、我々のドラマメソッド®に当てはめると、欧米の出来あいの劇(脚本)を使用している時に感じることですが、ネイティブ用の劇(脚本)は非常に難しい。言葉もですが、文化習慣などが違うことが多いので、本当に心の底から理解したことを表現しているかというと、なかなかそこまで出来ることは稀です。ドラマメソッド®の究極は、 「指導の流れ・7 Steps」の最後に書いてある通り、英語を「自分の言葉にする」「自分の英語で表現する」です。それには、難しい英語よりも簡単で本当に理解できる英語を使うようにまず勧めています。さらに、文化的な違いなどをどう克服するかは、ドラマメソッド®最新指導法Super-STAGE(注4)の方法で考えついていったものですが例えば、自分たちの身近なものに置き換えて、理解できるものにするとかです。
今夏、英語教員対象のワークショップで、英語のストーリーを劇化する方法を行いましたが、全く同じことを感じました。ストーリーの中の難しい言葉や馴染みのない言葉は、簡単な言葉にまた馴染みのあるものにしていきました。そうすると、本当に理解していることを心から表現できるようになります。これは自信を持って力強く説得力を持って話せるようになるということです。強い表現の点からいえば、「簡単な英語で良い」のでなく、「簡単な(理解している)英語が良い」と確信するに至りました。(但し、言葉の学習面においては徐々に難しい言葉を導入していくことも大切です)今まで私どもが行っていることは良いとは思いながらも、自分たちだけがそう思っているのではないのかと感じていたところに「簡単な英語」で良いのだという主張が少なくとも3つもあったなんて、とても意を強くし、今後自信を持って推し進めて行って良いのだと意を新たにしているところです。
注1:Voice of America (海外における米軍のラジオ放送は、1500語で語られていた。 現在はSpecial Englishと言われている)
注2:BASIC英語(イギリスの心理学者、言語学者チャールズ・ケイ・オグデンによって考案 された人工言語。British, American, Scientific, International, Commercialの頭字語と「基礎の、初歩的な」の意味を込める。基本単語は850語。著書『A General Introduction with Rules and Grammar (1930)』で表明)
注3:「7 Steps」 注4:Super-STAGE いずれも、http//mls-co.com「ドラマメソッドとは」をご参照ください。
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